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尾崎 美樹インタビュー「Beautiful Tree ~東京で生きる彼女、青森という存在~」<前編>

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尾崎 美樹インタビュー「Beautiful Tree  ~東京で生きる彼女、青森という存在~」<前編>

この記事を書いた人

ハリー

ハリー

美容室アトリエハリヤマ/美容師

自称、青森で一番「ヘッドスパ」に情熱を注ぐ美容師。青森県の耳よりな情報を、雑誌やWEBマガジンに寄稿し、全国へ発信する「ライター活動」も細々とやっている。

こんにちは。ハリーです。

僕は生まれてから29年間、青森県以外の土地で暮らしたことがないのですが、他の土地で生活している青森県出身者にとって、青森ってどんな土地? いや、どんな存在なのでしょう?

今回は、青森県出身で現在は東京でソロシンガーとして活躍中の「尾崎 美樹(おざき みき)」さんに、お話を伺いました。

予感

彼女にとって、青森とは、どんな存在なのだろう?

彼女に初めて会ったのは、ある年の8月末のこと。僕が勤めている美容室に、Tシャツ姿の見慣れない女の子がふらっと入ってきて、僕はその子の髪をカットした。たしか、腰くらいまであった髪の長さはそのままで、全体にセニングを施したような気がする。

てっきり、近所にある大学の学生だと思って世間話をしていた。でも、彼女がたまに「始業式」とか「クラスの男子」という言葉を口にするので、まだ女子高生だったということを知った。

でもその時から、僕には何とも言えない「ある予感」があった。いかにも少女のように無邪気に笑いながらも、ときどき、ふっと大人びいた眼差しをする。 何かとてつもなく大きな存在を見つめているような、そんな気配を、彼女から感じられた。

あっという間に、その予感は、現実となった。

ソロシンガーとして

彼女は高校を卒業したあと、得意な英語を勉強するために、東京の大学へ進学した。そして、青森県深浦町出身のミュージシャン「近藤 金吾(こんどう きんご)」氏と出会い、彼がプロデュースする「期間限定アイドル」として、CDを発売することになった。それだけでも僕にとっては驚きだったのに、今度は青森の若者の夢の実現と地域活性化を目指すアイドルユニット「青森ナイチンゲール」のメンバーに抜擢されたのだった。

青森市だけではなく、県内さまざまな土地へライブに向かった。
イベントがある度に、東京と青森を往復し、学業とアイドル活動を両立していた。

最初は帰省や移動が大変だったそうだが、今まで行ったことのない青森県内の土地へ足を運ぶことは、とても新鮮だったという。 色々な場所で、色々な人たちに出会った。

しかし今年に入り、青森ナイチンゲールを「卒業」した。 これからは活動の拠点を東京へと移し、長年の夢だった「ソロシンガー」として活動していくとのこと。

なんだかずいぶんと、遠い存在になってしまったように感じていたのだが、久々に会った彼女は、やっぱり話しやすくて、笑顔がステキで、知り合った頃のままで安心した。

あの頃も、今も

そのステージは、合浦公園の中心から少し離れたところにあって、僕が思っていたよりも、ずっと古びいていた。コンクリートの壁は少しひび割れていて、地面の割れ目からは雑草が生い茂っていた。

「懐かしいですね。ここ」

僕の斜め後ろをついて来ていた彼女は、その場所を見ると、少し嬉しそうにほほ笑んだ。

高校生の時、放課後に友達とよく踊ってました。ここで。

ゆっくりとステージに上がった彼女は、中央で両手を大きく開いてみせた。

ーどうして歌手を目指したの?

もともと、人前で歌ったり踊ったりするのが、好きだったからですね。たくさんの人たちに、そっと聞いてもらえるような歌手になりたいな、って。でも高校生の頃は、友達と踊ったりしているだけでも、すっごく楽しかったです。

今や、大勢の観衆の前で歌う彼女の目には、高校生の頃の思い出と、このステージはどう写ったのだろうか。

海と、星空と

合浦公園は、等間隔に植えられた松の木の間を抜けると、海に出る。海に面した都市公園のある街、それが青森市だ。砂浜と波打ち際では、水着の子供たちも大人たちも、それぞれに夏を楽しんでいるようだった。

まえに撮影をした時は、八戸の海だったんですよ。

彼女は、数年前に撮影した、プロモーションビデオのロケの話をし始めた。

白浜海水浴場。砂がすっごくきれいで、歩いていても気持ちよかったです。

ー海が好きなの?

好きですよ。海というか、青森の自然はみんな好きです。

ーでも青森の冬は雪が多くて、嫌になるんじゃない?

雪が降るって、ステキなことじゃないですか? 雪が積もった夜の
星空とか、とってもキレイだと思いますけど。

ー冬の星空は、たしかに綺麗だよね。

実家の部屋から見える、冬の星空がすっごくキレイで、プラネタリウムみたいで。
何時間でも見てられましたよ。

ー東京のプラネタリウムと、どっちが綺麗?(笑)

どっちもキレイですけど、やっぱり本当の星空には敵いませんよね(笑)

とても綺麗な木

砂浜の上に立っているのは、思っていたよりも暑かった。僕と彼女は、松の木が生えている方へ戻った。木陰に入ると暑さがいくらか緩み、優しく吹き付ける海風も、なんだか気持ちよく感じられた。

見ると、松の木の下で、母親らしき女性と赤ちゃんが、気持ちよさそうにうたた寝をしていた。

可愛いですね。

彼女はその光景を、とても幸せそうに見つめていた。

やっぱり私は、静かな場所が好きなんだなって思いました。

緑色になった桜の並木道を歩きながら、彼女はそうつぶやいた。

ここの公園も、海も久しぶりに来ましたけど、高校生の頃に見た景色より、ずっとキレイで、いいなって思いました。

海から駐車場へ戻る間に、大勢の人々で賑わっている場所があった。最近配信された、スマートフォン向けのゲームをしているのかもしれない。

その周辺にたくさんの桜の木があり、それに交じって、いくつか白樺の木も植えられていた。

桜の木に交じって生きる白樺は独特の存在感があって、とても綺麗な木だなと、なぜかその時、僕は思った。

大都会、東京に生きる彼女にとって、この海のある街、青森って、どんな存在なのだろう?

聞いてみたいその言葉が、なぜかなかなか、声に出して言えなかった。

<続く>

後編はこちら

尾崎 美樹

尾崎 美樹(オザキ ミキ)  歌手。 1996年2月4日生まれ、青森県八戸市出身。A型。 近藤 金吾 氏プロデュースによる「期間限定アイドル」や、「青森ナイチンゲール」のリーダーとして活躍した。2016年夏、青森ナイチンゲールを卒業。現在は活動の拠点を東京都内に移し、ソロシンガーとして活躍中。 

オフィシャルブログはこちら

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